2010年3月25日木曜日

院内検査


















updateにも書いたのですが、院内で検査できる項目がひとつ増えました。
HbA1c測定器。
導入は遅かったくらいだと考えています。

これで、血液検査ですぐに判断可能な項目が

末血(CBC)
CRP
PT-INR
NT-proBNP
トロップT
CK-MB
D-dimer
BS+HbA1c
各種感染症(インフルエンザ、肺炎球菌、マイコ、レジオネラ、溶連菌、ノロウィルス)


すぐに結果がわかって、診断に役立った例をひとつ。

患者さんは78歳の女性。風邪を引いたということで来院。
熱は37.2℃。
咳はなし。
しかし、CRPが17.2mg/dl と高値であったため、胸部X-PとCTを撮ったところ肺炎と判明。

もしCRPが即わからなかったら、ただの風邪で処方して帰してしまったと思います。

もうひとつ。
患者さんは67歳男性。お腹が張るということで、夜間救急に行き、ブスコパンなど処方されて帰宅。しかし症状が改善しないということで当院に来院。
聴診で肺にラ音を聴取したので、NT-proBNPを測定したtころ>3000pg/mlと高値で、胸部X−Pで肺鬱血、そしてCTで腹水を確認。心不全による腹水貯留でお腹が張っていたと判明。

腹部症状だけで、胸の診察を怠ったことが前医での見落としになったのですが。
これもBNPが高いことで心不全がすぐに判明した例です。

院内検査はすぐに結果がわかるので診断に威力を発揮します。

残るは、生化学だけ。
今でも院内で検査ができる機器はあるのですが、遠心分離が必要であったりコスト高になったりと、まだまだ実用性、経済性に乏しい。

いい機械ができることを望みます。

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