夏が短い北海道でもさすがにこの時期は夜もムンムンし、寝苦しい日々が続くようになってきた。
そういう夜は灯火採集。
夏になるとこの田舎の町に帰省してきた家族も子供を連れて灯火採集に訪れる。
みなの目的はカブトやクワガタ。
しかし自分は違う。
そんなメジャーな虫は興味なし。
ところがだ。虫を採集していると「なに採れたの?!」と
子供らが見に来る。そして決まって「なんだコガネムシか!」
じゃあ君たちはコガネムシの種類とか、小さなカミキリムシで珍しい虫がいることを知っているのか?
と言いたくなるが、そこは大人。
「おじさんはこういう虫のほうが好きなんだ」で終わらせる。
怪訝そうな顔で去っていく子供たち。
しかしもし「おじさん、それカバイロアシナガコガネだよね」なんて言う子供がいたら驚きと嬉しさで狂喜するであろう。
しかしそれもつかの間。その直後我々はライバルとなる。
「なんだコガネムシか!」でいいのだ